昔は窯場の職人のことを「窯ぐれ」と言った。全国の窯場を渡り歩き、今、尚、陶工、原料屋として、昔ながらの窯場の知識、技術を唯一引き継ぐ小川哲央の随筆をお楽しみ下さい。 (2012年3月改訂しました)


by ogawagama

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13 日本陶のよさ

 本場中国のやきものと日本の違いは?

 中国は技巧を駆使した人工美。日本は材質のよさを生かした自然美。

 これは、国民性の違いでしょうか。中華料理は様々な調味料を用い、味付けをして調理する。素材の味というより、技巧の味で確かにうまい。しかし、日本料理は、風味においても、形状においても、できる限り素材を生かすところに真髄がある。
 建築、庭園も同じ。ドイツの建築家タウトは、「日光の東照宮は、ただ見るだけで考えるところがない。ところが桂離宮は、思惟がなければ何一つ見ることが出来ない」と、絶賛した。確かに、東照宮の金銀を散りばめた柱は見ていて美しいが、それより、自然素材が持つ本来の美しさ、それを生かす周りの自然、その調和には何とも言えない良さがある。ただ見る美しさより、そこから何かを感じる良さが上だと、タウトは語る。

 中国陶磁は、完全無欠を理想とする美。日本陶は、草庵の茶の湯から生まれたもの。自然で不完全なものを良しとする。歪み、キズ、釉のかけ残しがあっても良い。そこから何かを感じ考えさせられ、何日、何年見ていても、飽きないで眺めていられるものこそが、本物の美だと考える。
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by ogawagama | 2008-12-07 15:23 | 13 日本陶のよさ