昔は窯場の職人のことを「窯ぐれ」と言った。全国の窯場を渡り歩き、今、尚、陶工、原料屋として、昔ながらの窯場の知識、技術を唯一引き継ぐ小川哲央の随筆をお楽しみ下さい。 (2012年3月改訂しました)


by ogawagama

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95 直焔式

 窯もいろいろありますが、大きくは2つに分けられます。炎がまっすぐに走る直焔式の穴窯と、仕切り壁を付けることによって、炎を上下させる倒焔式の登り窯。

 直焔式の窯は焚き口の炎が煙突に向け一直線に走る為、炎がこもらず窯内の温度にムラが出来ます。
 薪をくべるタイミングも難しく、ちょっと外しただけで一気に温度が下がったり、戻すにもかなりの労力がかかります。外的条件である天候・湿度・風・月の引力・薪の状態等にかなりの影響を受けるので、臨機応変に焚き方を変えなければいけません。
 その上熱量のロスも大きく薪がかなり必要となります。また、床が斜めな為、作品があまり入りません。
 しかし焼き上がりは作品に表裏に違う景色が生まれとても魅力的なものとなり、先の外的条件を逆に上手く生かすことによって、一つの窯でいろんな焼き物が焼けて面白いものです。

 これに対し、倒焔式の登り窯は、天井に上がっている炎を一旦下げることによって、温度差がかなりなくなり、窯焚きのテクニックもさほど必要ありません。多少薪をくべるタイミングがずれても、それほど影響は出ません。
 特に燠床を持つ縦サマだと、炎をコントロールし易く、外的条件も受けづらく、下で焚いた熱を上で上手く利用する構造の為、薪の量がかなり少なくて済みます。
 その上床が平らで背も高いので、一部屋でかなり多くの作品が詰められ、温度管理もし易く、温度計を使うことで、かなり安定して作品が焼けることでしょう。

 効率的でコントロール出来る登り窯が開発されたことによって、安定し大量生産も可能にはなったのですが、さてあなたはどう思いますか。
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by ogawagama | 2012-03-07 21:45 | 95 直焔式