昔は窯場の職人のことを「窯ぐれ」と言った。全国の窯場を渡り歩き、今、尚、陶工、原料屋として、昔ながらの窯場の知識、技術を唯一引き継ぐ小川哲央の随筆をお楽しみ下さい。 (2012年3月改訂しました)


by ogawagama

カテゴリ:117 萩( 1 )

117 萩

 萩釉の基本は、長石3・土灰3・藁灰4。これを基に自分の粘土と窯に合わして、簡単に作ることが出来ます。

 具体的には三角座標を使い、自分の好みを探せば良いだけである。
 長石は、カリよりソーダー長石の方が、分相が起き易く良いであろう。
 粘土は、原土の6割を捨てないと扱えない程荒いが、やはり地元の大道土が合う。
 その際、市販の製土に原土を1割程混ぜ入れて使うことを勧めたい。こうするだけで雰囲気がかなり変わるものです。

 そして、あの独特な梅花皮を出したいのなら、生かけして下さい。厚くかけられた萩釉を焼くと、まずは溶ける前に縮みます。つまり割れ目が入る。
 更に温度を上げていくと、その割れ目の角から溶け始め、次第に割れ目を埋めてしまう。
 だから、そこまで温度を上げずに、さっと焼くことで、あの梅花皮が得られるでしょう。

 実際に萩では、5つも部屋がある大きな登り窯を、1日半で焼き上げてしまう。
同じ薪窯でも1部屋の穴窯で焼く志野は1週間も焼くと言うのに、やはりやきものは奥が深く面白い。
 
 続いて粉引。
 この時使われる化粧土と言えば、昔から白絵土が使われてきました。柔らかな白さを持ち、素地によく馴染み、剥がれにくく扱い易かった為に。
 萩にもあるのだが、岐阜県東部や信楽辺りではかなりの量が採れていた。しかし最近は良質なものがなくなり希少となってきています。
 
 その為、自分で調合するのであれば、カオリン60・陶石35・共土5を基本として、これも自分の土と窯に合わせて、三角座標で好みを見つければ良いだろう。
 柔らかくしたいのならカオリンを増やし、硬い感じが好きなら陶石を増やせば良い。

 しかし、化粧土が剥がれてしまっては意味がないので、こんな時はどうすれば良いか。
 化粧土のポイントは粒度と粘り。つまり化粧土は荒い方が良いということ。つまり摺らないことです。

 そして原料それぞれの粘りを知ること。
 陶石>蛙目>木節>カオリン>ろう石の順だから覚えておいて下さい。
 粘りが欲しければ陶石・蛙目を加え、いらなければ、ろう石・カオリンを加えるだけで簡単に調整出来ます。
[PR]
by ogawagama | 2012-03-08 22:38 | 117 萩