昔は窯場の職人のことを「窯ぐれ」と言った。全国の窯場を渡り歩き、今、尚、陶工、原料屋として、昔ながらの窯場の知識、技術を唯一引き継ぐ小川哲央の随筆をお楽しみ下さい。 (2012年3月改訂しました)


by ogawagama

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28 磁器

 明治に入るまで、大衆の器は木を刳り抜いた「オカサ」というお椀でした。陶器も磁器も高級品で、大名、貴族が使うものでしかなかったのです。それが、明治維新の廃藩置県で、藩の統制が外れてからは、美濃でも磁器が自由に作ることが出来、量産され、本場の京都や九州を圧倒し、一気に全国へ普及していったのである。
 
その理由は、良質な原料が豊富にあり、安く作ることが出来たからでしょう。
 
現在も食器と言えば磁器、磁器と言えばそのほとんどが、美濃焼です。焼いているのは、多治見、土岐、瑞浪市ですが、原料は恵那市のものです。明智町の曹珪(砂婆)7割、山岡町の蛙目粘土3割の調合です。(曹珪は長石に似た未風化の花崗岩で、粘りがない為、蛙目粘土を足し、磁器土としています)一般に磁器土は、陶石単味と言われていますが、実際出回っている磁器土のほとんどが、この恵那産のものでしょう。
 
陶器と違い磁器は、土そのものに味わいを求め楽しむものではなく、ガラス化した肌のなめらかさ、白さ、そこに描かれた絵や模様を楽しむものと言えましょう。軽く扱い易く、しかも安く買えるので、一般の人にとっては、やきものと言えば、この磁器のことを指しています。
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by ogawagama | 2008-12-20 13:08 | 28 磁器