昔は窯場の職人のことを「窯ぐれ」と言った。全国の窯場を渡り歩き、今、尚、陶工、原料屋として、昔ながらの窯場の知識、技術を唯一引き継ぐ小川哲央の随筆をお楽しみ下さい。 (2012年3月改訂しました)


by ogawagama

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49 土の違い

 やきものの原料の基である花崗岩、地質学者は、81に分類している程、種類は多いが、大雑把に言うと、長石、珪石、雲母の3つから成った石のことです。
 
 このうちの長石が、その場で風化したものがカオリン。従って、粒子は粗く、粘りはなく、有機物、鉄分などの不純物が含まれない。少し流されて積もったものが蛙目粘土。従って、粒子はまだ粗く、珪石粒を含んだままだが、粘りはあり、有機物、鉄分はまだ少なく白い。更に流され積ったのが、木節粘土。従って、粒子は細かく、珪石粒もなくなり、粘りがかなりあるが、有機物、鉄分など、かなり入り込む為、有色となる。これが、土の一般的な説明ですが、良い土悪い土の話になると、触ってなめて(基本は舌触りが良く、味がないものが良い)焼いてみるしかない。
 
 その結果、これは焼締、これは志野、これは織部に良い土として使い、分けている訳だが、この違いは化学分析して分かるものではない。成分的には数%の違いがあるだけで、同じ土なのだから。肉の旨いところ、まずいところを分析しても、結果は同じ。ところが食べてみると違う。これと同じである。
 
 とにかく、たくさんの土を使ってみることです。中でも、良い土に触ること。たくさんの土を使わなければ、自分が今手にしている粘土が、何に良いのか、一生涯分からないことでしょう。
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by ogawagama | 2008-12-24 09:29 | 49 土の違い