昔は窯場の職人のことを「窯ぐれ」と言った。全国の窯場を渡り歩き、今、尚、陶工、原料屋として、昔ながらの窯場の知識、技術を唯一引き継ぐ小川哲央の随筆をお楽しみ下さい。 (2012年3月改訂しました)


by ogawagama

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51 土の風化

 同じ粘土でも、よく風化した粘土は成形し易いだけでなく、焼成においても、粘土中の各成分の反応がよく進んで、均一にガラス化し、異常な膨張や収縮が少なくなるので、焼傷が出にくい。
 
 しかし、風化しているかどうかは見た目では分からないものです。土の風化の度合いは、例えば、北向きの場所と南向きのところでも違ってきます。北向きの山から流れて堆積した土は、日陰であるために風化があまり進んでないので、焼いた時に欠点が多く出ます。これに対して、南向きの陽の当たる場所から流れて溜まった粘土は、風化がよく進んでいるので、陶土としての欠点が少ないと言えます。

 私は、粘土探しの時、国土地理院発行の5万分の1の地形図を見、この考えを必ず参考にしますし、鉱山で粘土を掘る時も、手掘りを基本とするのはこの為です。そして、粘土を「サラス」年数も土の風化度合いが基準となります。従って、気長に付き合えば、どんな土も、このサラシを長くすることによって、必ず使える土に変えられます。
 
 「土に良し悪しはない。土のクセを呑み込んで使えば、それぞれの向きに使いこなせるもの」半泥子の口癖が、ふと頭に浮かんできました。
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by ogawagama | 2008-12-24 10:33 | 51 土の風化