昔は窯場の職人のことを「窯ぐれ」と言った。全国の窯場を渡り歩き、今、尚、陶工、原料屋として、昔ながらの窯場の知識、技術を唯一引き継ぐ小川哲央の随筆をお楽しみ下さい。 (2012年3月改訂しました)


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55 土の焼締

 「焼き締め(備前、信楽、伊賀等)には、何故か温もりを感じる」こう思っている人は案外多いでしょう。

 これは、土が発する3~6ミクロンの遠赤外線波長が、体内の細胞と共鳴し合う為です。この波長は、人間だけでなく、生命体全てに通じます。
 
 冷蔵庫がなかった時代、食料、水は、焼き締めのカメに保存されていました。こうすることによって、食料、水が、腐りづらいことを知っていたからでしょう。
 
 科学的に説明すると、物質が最もエネルギー授受の高い波長帯は、2.5~25ミクロン。土は永久的に3~6ミクロンの遠赤外線波長を出し続ける為、物質に、この熱エネルギーが伝わり、原子レベルでの振動が始まり、自らも、遠赤外線を発し始める。それを受けた別の物質も、振動を起こし・・・。このように共鳴振動がくり返し行われ、活性化されるという仕組みになっています。
 
 難しい話になりましたが、分かり易く言えば、焼き締めの器を使うと、ものが元気になるということです。
 
 私は、毎晩焼き締めの器で酒を呑みますが、2級酒が1級酒になります。焼き締めの花入に花を飾ると一般の花入より3倍は長持ちします。当然、料理も美味しくなります。分かり易いのは刺身です。次の日、ふつうの皿と焼き締めの皿では、傷み方が違います。
 
 陶磁器全てが遠赤外線を放射するのですが、中でも、素地が緻密である程、放射量が多くなります。従って、焼成温度が高い伊賀、焼成時間が長い備前のように素地がしっかり焼き締めてあるやきものが、最も良いという訳です。
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by ogawagama | 2008-12-27 11:03 | 55 土の焼締