47 良質な土
2008年 12月 21日
では、どうしたら良質の粘土がつくられるのでしょうか?答えは湖です。
現在は、日本の国土の1%しか湖はありませんが、今から300~200万年前は、7%も湖がありました。仮に、1年に1㎝ずつ溜まったとしても、国土の7%ですから、ものすごい量の粘土がつくられていたわけです。
確かに昔は、陶土なんて無限にあると考えられていました。それが、10年程前からは、「あと何年分しかないよ」と、各鉱山が言い始めました。まずは、各地の小規模な粘土鉱山が閉鎖され、最近は、日本の窯業の粘土を支え続けてきた大規模な、伊賀、瀬戸、美濃までも、閉鎖されてきています。
そこで粘土業界は、工事現場から出た残土としての粘土や、海外の原料等、30種類以上の粘土をブレンドし、唐津土、萩土、備前土、信楽土、もぐさ土と、名前をつけ、製産しています。決して本物ではありません。ただ、成分が同じというだけなのです。悲しいけれど、これが一般の原料屋の現実です。