昔は窯場の職人のことを「窯ぐれ」と言った。全国の窯場を渡り歩き、今、尚、陶工、原料屋として、昔ながらの窯場の知識、技術を唯一引き継ぐ小川哲央の随筆をお楽しみ下さい。 (2012年3月改訂しました)


by ogawagama

131 茶室

 15世紀、武野紹鴎によって骨格が作られた、四畳半の世界「茶室」。その多くが、木と竹で作られ、まるで掘っ立て小屋にしか見えませんが、実はそこに、日本独自の哲学がびっしり詰まっています。

 実は、茶室はとにかく「簡素」、だからこそ世俗離れし易いのです。下界のわずらわしさから逃げ易く、聖域になり易く作ってあるのです。
 空間としても、インテリアとしても、余分なものがない為、心乱れることなく、すんなり自己集中が出来得るのです。
 例えば異なった音楽を同時に聞くことが出来ないように、何かに集中するには、西洋の建物のように広く、その中には豪華にあれもこれも並べてあっては、自己投入しづらいものです。また、均整のとれたものは想像力をなくさせます。だから、あえて、非対称のものしか取り入れません。

 簡素さが集中力を高め、心を癒し、非対称なものが、新たな想像力を次々に湧き立たせてくれるのです。

 このような話を聞いてから、茶室に入ってみると、確かに細部に至るまで、いろんな配慮がされていることに気付けます。
 最高の素材を、最高の職人が形にする為、実際にはどんな豪華な城よりも、お金がかかっているものもあります。
 茶室は小さいけれども、確かに日本の最高建築の一つです。
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by ogawagama | 2012-03-09 14:34 | 131 茶室