昔は窯場の職人のことを「窯ぐれ」と言った。全国の窯場を渡り歩き、今、尚、陶工、原料屋として、昔ながらの窯場の知識、技術を唯一引き継ぐ小川哲央の随筆をお楽しみ下さい。 (2012年3月改訂しました)


by ogawagama

138 作り手半分使い手半分

 人は生きていかなければならない、生き続ける為に食べる、その食べることを支える器。

 器は特別なものではなく、食べる為の道具です。決してガラスケースに鎮座して、偉ぶるものであってはならず、台所一の働きものであるべきだと考えます。
 器は特別なものではなく、音楽を聴いたり、本を読んだりするのと同じように、いつもその人の傍にいるものでありたい。

 作家ものは壊れるのが怖くて、なんてことをよく聞きますが、良く考えて下さい。
 自分のかけがいのない人生において、毎日使う器こそ、自分が選んだ大切なものを使うべきであり、自分の時間といつも一緒にいるからこそ、更に愛着が深まるものです。

 器に現れる経年変化は、誰のものでもない、あなたとの共有の財産でもあります。
 二度とない時間だからこそ、その時間は大切なモノと過ごして欲しいものです。

 器とは作り手がいて、使い手がいて、両方があって完成するものです。器はあくまで食べる為の道具であり、使われるからこそ生きる価値があり、器として完成していきます。

 そして器を完成させるのは、実は使い手の皆さんです。

 「作り手半分、使い手半分です。」
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by ogawagama | 2012-03-09 15:26 | 138 作り手半分使い手半分